自然農の田んぼに籾まきに行ったとき、
傍らにあやめがたくさん咲いていました。
仲間の一人が株分けして増やしてくれたそうです。
それを少し戴いて帰り今回の歳時記としました。
時季の物として買い求めた粽と
こいのぼりのクッキーの真ん中に熟成干し芋を置くと、
なんだか端午の節句のお祝いのようになりました。
実はこの花の名前をずっと勘違いしていました。
ちょうど菖蒲湯にする頃に咲くことで、
勝手に菖蒲(しょうぶ)だと思っていたのですが、
文目は文目科、菖蒲は里芋科。
花はガマの穂に似ていて全く違うことにも驚きました。
また「菖蒲」と書いてアヤメと読ませることもあるそうで、
「花菖蒲」や「杜若(かきつばた)」という似た花もあってと、
頭の中はとてもややこしいです。
けれどもそんなことは人間の勝手な都合で、
あやめはただ毎年時季がくればきれいな花を咲かせます。
さつまいもにしても、
私たちが手をかけられるのは苗床までです。
さつまいもの苗を畑に植える定植がもう少しで始まりますが、
畑に植えたら後は彼らの生命力に頼らざるを得ません。
本当の助けとなるのは日の光と慈雨だけとなり、
人間のできることはほんの少しの手助けだけです。
時季がきた時、
畑のさつまいもは果たしてどんな実をむすんでくれるでしょうか。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。