先日、自然農の田んぼに干した稲の様子を見に行くと、
仲間たちもみな稲刈りが終わり、
それぞれの田んぼに稲架ができていました。
今は農作業する仲間の姿もなくなり静かな田んぼですが、
よく目を凝らすと秋の野草が可憐な花をたくさん咲かせ、
秋の田んぼは静かに賑わっていました。
田んぼの横には一本の柿の木があります。
何の手入れもしていないけれど、
毎年たくさんの甘い実をつけます。
今年は誰も柿の実を採らないのか、
鳥がつついた実がぽとりぽとりと落ちています。
勿体ないので手を伸ばして届くところの実をとり、
夕食後に夫婦で仲良くいただきました。
二人とも固い実が好きなので、まさにこの句の通りの情景です。
柿の歴史は大変に古く、
「古事記」や「日本書紀」に「柿」という文字が記され、
奈良時代にはすでに「柿」や「干し柿」が食用とされていたそうです。
日本人には一番馴染みの深い果物と言えますね。
だからなのか、たわわに実った柿の木や、木守柿を見ると、
郷愁の思いにかられるのは私だけではないでしょう。
それは熟成干し芋を食べた時の感覚とも似ています。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。