あけましておめでとうございます。
本年も熟成干し芋達磨庵をどうぞよろしくお願いいたします。
去年今年は、“こぞことし”と読みます。
虚子76歳の作というこの句の、“貫く棒の如きもの”という言葉からは、
連綿と続く時の流れを感じ、何とも背筋が伸びる気持ちになります。
歳時記の撮影に花びら餅を使いたいと思い和菓子屋さんに行きました。
花びら餅は、甘く柔らかく煮た牛蒡を白味噌の餡にのせ、
白餅と小豆の汁で染めた赤い餅を重ねて包み、半月に仕上げた和菓子です。
年始めの茶事である初釜で頂くお菓子として有名ですが、
古くは平安時代の新年の行事「歯固めの儀式」に由来するともいわれます。
何とも由緒あるお菓子ですね。
最近はとても人気があるようで、2軒回ってみました売り切れていました。
代わりに猪と梅の可愛らしい練りきりを買い求め、ようやく撮影に臨めました。
この練りきり、普通は山芋が使われますが猪は蓮根を使っているそうで、
蓮根の皮が何とも猪らしく、可愛らしいお菓子に仕上がっています。
熟成干し芋にはかえってこんなユーモラスな練りきりがよく似合いました。
さて干し芋作りは今が旬です。
寒さがサツマイモの糖化を進め、陽射しと乾いた空気が甘さを十分に引き出します。
干し場いっぱいに並んだ色とりどりのサツマイモが、
まるで花畑のように干し場を彩っています。
その中から、熟成干し芋としてお届けできる最高の干し芋が仕上がってきます。
一年かけた干し芋作りもいよいよ最終段階です。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。