節分には自分の年と同じ数だけ福豆を食べるという風習があります。
子規は自分の年が亡くなった親の年に近くなってきたことを、
食べる豆の数で感じたのでしょうか。
一年中で一番寒くなる節分のころは、
干し芋の旬の時季でもあります。
干し場には、今しか作れない丸干し芋や、厚切りの干し芋たちが、
日に照らされて輝くように、
甘みが蜜となってぎゅっと凝縮してきました。
色とりどりの干し芋が、干し場いっぱいに並んでいる様子は、
毎年のことながら壮観です。
豆まきは、「魔の目(まめ)」に豆を投げ「魔を滅する(まめ)」
ということで邪気を追い払い、
一年間の無病息災を祈るという意味が込められています。
室町時代以前からこのような行事が連綿と続いているのは、
昔も今も、人々の願いはそう変わらないのだともいえます。
ところで福茶というものをご存知ですか?
湯のみに、昆布と梅干と福豆を3粒いれて熱湯を注いだものです。
「昆布はよろこぶ」「豆はまめまめしく」「梅は縁起がよい」
という、節分にぴったりのお茶です。
年の数だけ豆を食べるのが大変になってきた方は、
この福茶を飲めばそのかわりにもなるのだそうです。
福茶は塩気があり、甘い熟成干し芋との相性はぴったりです。
節分の夜には、無病息災を願いつつ
福茶とともに熟成丸干し芋を召し上がってみてはいかがですか。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。