子どもの言葉遊びのような言い回しが可愛らしい句ですね。
先日、NHKラジオ第1の文芸選評を聞いていたら、
今月の俳句の兼題が、ほうれん草でした。
その時「菠蔆草」という漢字を初めて知りました。
一番身近かな葉野菜が、こう書くと何やら立派に感じるものです。
父が元気なころ趣味の畑で、
この時季一番よく作っていたのがほうれん草です。
それがスーパーなどで見かけるものとは全く違い、
茎が太くて寸詰まり、根っこは赤々としてとても逞しい姿でした。
父は特にお味噌汁に入れるのが好きで、
作っていると必ず「ほうれん草を入れて」と言ってきました。
茹でておひたしにすると、根っこの部分がとても甘かったことなど、
ほうれん草一つにも様々な記憶が思い起こされます。
記憶は時に食と結びついて、
そのものの味とともに何気ないシーンが浮かんでくることがあります。
私の感覚では、素朴な食べ物の方がよくあるような気がします。
干し芋を召し上がって戴いた時、
一番よく発せられるのも「懐かしい」という言葉です。
きっとその方それぞれに、
干し芋に纏わる心温まる思い出があることでしょう。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。