寒さをじっと耐えた木々たちが、
春の訪れを喜んでいるようにあちらこちらで芽を吹き、
梅や桃や、早咲きの桜が美しい花を咲かせています。
まるでこれこそ本来の自分だと名乗り出ているかのようで、
一茶の句はまさに言い得て妙です。
先日、友人の娘さんが旦那様と開いた、
山に囲まれた築150年の古民家ギャラリーに行ってきました。
開いているのは、3月、6月、9月の第一金曜日から10日間。
若い個性的な作家さんと挽物師であるご主人の作品を紹介しています。
今回は陶芸家の前田直紀さんとのコラボ展示。
セラミックコミュニケーターと云う肩書きの前田さんは、
世界7カ国以上の国で展示会や創作活動をされているとのこと。
和紙のように光に透ける美しい白い磁器の皿や、
新作の陶器が懐かしい古民家の部屋に調和していました。
その中でも一際目をひいた柔らかな桃色の磁器の皿。
そこに干し芋を盛り付けたらどうなるだろうかと思い、一枚買い求めました。
写真の腕が前田さんの技術にまだまだ追いつきませんが、
なかなかいい雰囲気になったと自己満足しています。
挽物師は、木工ろくろや旋盤を使い、
木の皿など、丸みを帯びた美しいフォルムを生み出します。
数十年前は沢山いた挽物師が、ここ最近は数えるほどになってしまったそうで、
ジャンルは違いますが干し芋業界との親和性を勝手に感じました。
若い彼らに負けないよう、これからも熟成干し芋の美味しさを追求していきたいと、
思いを新たにした春の一日でした。
※moyocami gallery /挽物所639 〒424-0401 静岡市 清水区中河内639番地 054-396-3883
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。