六月三十日は一年の前半のけがれを祓い、
残り半年の無病息災を願う
「夏越祓え」が各地の神社で行われます。
イネ科の多年草・茅(ちがや)で輪をつくり
それをくぐって心身を清めます。
私の住む地方では「輪くぐりさん」とも呼び親しんでいます。
ところで京都で夏越祓えによく食べられている和菓子
「水無月」をご存じでしょうか。
暑気払いの氷に見立てた三角形の外郎の上に、
魔除けの意味を持つ小豆をちりばめ固めたもので、
この水無月を食べることにより
暑い夏を乗り切るという由来があるそうです。
干し芋づくりでいえば夏越祓えのころは、
サツマイモ苗を育てる育苗と、
それを畑に植える定植が終了するところです。
育ったサツマイモを干し芋に加工する12月までの残り半年、
良い原料芋がたくさん収穫できることを願い、
そのためには暑さに負けずにがんばって草取りができるようにと、
祈る気持ちで水無月を食べたいと思います。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。