自然農の田んぼがある里山の柿の木に、
一つだけ柿の実が残されていました。
これは木守り柿といって、小鳥たちへのお裾分けとも、
来年もたくさん実をつけるよう、
願いを込めて残すのだともいわれます。
ぽつんと残るオレンジ色の実と茶色の枝のシルエットには、
日本人の誰もが郷愁を感じるのではないでしょうか。

我が家にも柿の木が一本だけあります。
柿の葉は、春には若緑色からつやのある濃い緑となり、
秋には深緑からオレンジ、赤へと変化します。
そのグラデーションのように混じりあった色合いは、
一枚一枚が全部違ってとても美しいものです。
柿落葉を掃き掃除しながらきれいな葉を拾い集め、
今月の歳時記の撮影に使いました。
一本だけの柿の木でも落葉はかなりの量があります。
周りが田んぼや畑のころはよかったのですが、
住宅地となってしまった現在は掃き掃除もひと仕事です。
それでもおいしい実と季節の移ろいを感じさせてもらえる、
この木があってよかったと思います。
今日もお隣さんにご迷惑のかからぬ様、
せっせと落ち葉掃きに励んでいます。





干し芋マイスター 福井保久