紫陽花の情景には雨が似合う。
と単純に思ってしまうところですが
月夜にうかぶ青い紫陽花の句を見つけた時、
幻想文学の先駆者として評価された泉鏡花らしい、
とてもロマンチックで素敵だと感じました。
でもやはり紫陽花と雨は相性がいいようです。
学名のハイドランジアはギリシャ語で「水の器」を意味し、
体内に水をたっぷりと蓄えながら、
あの丸い大きな葉からは大量の水分が蒸発していきます。
その働きのことを「蒸散」というのだと中学校の理科で習いました。
だから紫陽花はいつも雨を必要としています。
また土壌の性質が酸性なら青い花に、
アルカリ性なら赤い花になるというのも何だか理科の授業のようです。
話は変わりますが、
有機栽培でサツマイモを作る時に大切なのは、
いかにして土壌中の栄養素をサツマイモに吸わせるかです。
それが一番難しいことなので、
EM菌を使用するなど試行錯誤を繰り返しています。
アジサイの花の色のように、
サツマイモが今どんな栄養素を吸っているのか判るといいのにと、
紫陽花を見ながら思いました。
ただサツマイモは「飢餓状態になると花が咲く」と言われています。
可愛らしい花ですが、咲かせないようにしなければなりません。
花は紫陽花で楽しむことにします。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。