「麦の秋」は初夏の季語です。
「秋」という言葉には、
穀物が成熟した「実りの時」という意味があるようで、
このところ、田植えの準備で頻繁に通う自然農の田んぼでも、
麦が金色に光る穂を揺らし収穫時期を迎えています。
その仲間が育てている麦は麦茶用だと聞いています。
昨年私も少し分けてもらいましたが、
収穫した麦を自分で焙煎して煮出した麦茶は、
薫り高く、夏の農作業で乾いた喉を清清しく潤してくれました。
そういえば、この歳時記の一番初めに撮影した写真は、
自然農の田んぼでの熟成干し芋と麦茶でした。
懐かしくなり、もう一度その写真を見なおすと、
農作業の合間に食べた熟成ほしいもの甘さと、
麦茶の爽やかな香りがよみがえってきました。
干し芋は冬の食べ物というイメージがありますが、
一年中、いつどんな時でもおいしくいただけます。
今の時季でしたら一番のお勧めは新茶とともに、
熟成干し芋の優しい甘さがお茶の味わいを引き立ててくれます。
星光る夜には、ちょっと洒落た気分で、
キリッと冷やした白ワインや冷酒にも意外とよく合いますよ。
今月は田んぼの草花とともに熟成干し芋を盛り付けてみました。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。