4月20日から立夏前日の5月4日までの期間を「穀雨」といいます。
春の最後の節気で、穀物の成長を促す雨が降る頃という意味をさし、
この時季に降る雨を「百穀春雨」といいます。
そのため古くから穀雨は種まきの好期の目安とされてきました。
現代の稲作では、穀雨の頃には田植えが始まりますが、
昔ながらの自然農では、まさにこの穀雨の頃に苗床を準備し、
大事に保管していた種籾を蒔きます。
先日、自然農の田んぼの作業で棚田を訪れた時、
山の緑が輝くように美しく、思わず「山笑う」の言葉を思い出しました。
穀雨の終わりには八十八夜があり、茶摘みが始まります。
茶畑の新芽が柔らかな葉を伸ばしていました。
山菜や竹の子など春の味覚もたくさんとれます。
そんな穀雨の頃、干し芋のサツマイモも苗床に植えられます。
自家製の堆肥を混ぜた栄養満点のふかふかの土の上に、
種芋をひとつひとつ伏せ(植え)ていきます。
産地で伏せこみと呼んでいる作業です。
干し芋産地の穀雨の頃はまだまだ気温が低い日もあります。
苗場はビニールハウスの中なので、春雨ではありませんが、
たっぷりの水と、十分に温かい地温になるように過保護に大事に育てます。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。