端午の節句の風習は、古来中国にあった楚(そ)という国の政治家、
屈原(くつげん)を供養するために始まり、奈良時代に日本に伝わったとされます。
現代より厳しい環境下では、生まれた子供が無事に成長することは、
親の一番の願いだったことでしょう。千年以上も形を変えながら、
現代にまで続いている節句の行事は、そんな願いの賜物なのだと思います。
端午の節句につきものの柏餅。
柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちないため、
子孫繁栄を象徴するものとして縁起がよいとされています。
さて、干し芋は江戸時代に誕生して以来、殆ど変らない製法で、
一枚一枚手作業で作られます。
干し芋の原料であるサツマイモは、大変に繁殖能力が高いため、
痩せた土地でもよく育ちます。栽培も、前年にとれた芋を種芋として、
その種芋から伸びたツルを苗とします。こうして改めて見てみると、
手前味噌ながら、サツマイモからできる干し芋は、
子孫繁栄につながる大変縁起のいい食べ物といえるのではないでしょうか?
端午の節句には、菖蒲湯に浸かった後、粽(ちまき)や柏餅とともに、
達磨庵の熟成干し芋もぜひ召し上がってみては如何ですか。
干し芋マイスター 福井保久
干し芋マイスター 福井 保久
サツマイモの中に潜む美味さをどこまで引き出せるか、色、艶、食感、そして味を極限まで追求。
干し芋ひとつひとつをマイスターの誇りにかけて
最高のものだけを世に送り出している。