空は青く、風さわやかな五月。
この句は一年の中で最も過ごしやすく、
気持ちが晴れ晴れとする五月を待ちわびて読まれたものです。
はやくそんな五月を満喫したいという思いで選びました。

5月20日から始まる二十四節気『小満』は、
立夏から数えて15日目頃でこれから本格的な夏に向かうとき。
気候がよくなり草木も満ち足り、
あらゆる生命が満ち満ちていく時期を表します。

先日、自然農の田んぼの苗代に草取りに行ってきました。
今年は芽吹きが遅く稲の芽はまだ小さかったけれど、
稗や雑草は勢いがよく、
稲よりも早く成長しようと一斉に芽を出し葉を広げていました。
2メートル四方にも満たない苗代の中で成長している雑草の数は、
おそらく数千本ありました。
カイワレのように小さい雑草を抜きながら、
なんとたくましいことかと感心すら覚えました。

今、私たち人間は自然を満喫することもなく、
我慢を強いられていますが、
やがてまた『小満』は巡ってきます。
その時が来たらこの雑草たちを見習い、
貪欲に、したたかに成長していきたいと思いを新たにしました。





干し芋マイスター 福井保久